コーラで晩酌

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ことわざという魔法

説明やプレゼンテーション、交渉など何でもいいのですが、相手の話を聞くときにことわざを使用されたことというのはあるでしょうか。

ことわざを使用された際に説得力が増したと感じたことはあるでしょうか。

 

本日はそういった話です。

 

 

ことわざを使用すると説得力が増す?

例えを使ってみます。

「本当に上手い人はなに使っても上手いから、君が道具のせいにしてるのは言い訳だ」

「『弘法筆を選ばず』というように上手い人は道具を選ばないから、道具のせいにしているのは言い訳だ」

 

ことわざなしとことわざあり、それぞれどのように感じるでしょうか。

ことわざを使用すると説得力が増すと感じる人、変わらないと感じる人それぞれいると思います。

また逆に胡散臭く感じると感じる人もいると思います。

どう感じるかというのはその人の人格、性格、それまでの経験則によって変わるので一概には言えません。

しかし、私自身や、私の周りに尋ねたところ説得量が増すと感じる人が多くいました。

 

なぜ説得力が増すのか

説明をする際にことわざや慣用句といった一言を入れるとなぜ説得力が増すのか。

私なりに色々考えてみました。

・ことわざは多くの人が納得できる内容を言い表している

・ことわざは昔から使われて伝わってきたもの

この2つが強いのではないかと考えました。

 

 ことわざは多くの人が納得できる内容を言い表している

ことわざというのは納得できるようなものでなければことわざというものになっていないということです。

ことわざは実体験をもとにした教訓がほとんどです。

言い方が変かもしれませんが、元ネタがあるため納得が出来る。

納得が出来るから説得力が増すといった感じです。

納得が出来るというのが日本人だけじゃないないというのもあるでしょう。

英語でも似た表現、同じ意味のことわざというのは多く存在します。

万国共通で感じる教訓ということです。

 

ことわざは昔から使われてきたもの

平安時代にはことわざ辞典のようなものが出版されていたようです。

出版なので1100年前にはことわざがあったと確実に言えるだけで、使われていたのはもっと前からでしょう。

ことわざの元は故事成語だと言われています。

「覆水盆に返らず」や「禍を転じて福と為す」といったものです。

一番有名なのは「春眠暁を覚えず」ではないしょうか。

中国の故事成語は物語をもとにして作られており、物語は紀元前の物語などもあり歴史は本当に古いです。

古くからありずっと使われ続けているものというのは「よいもの」「すごいもの」というのを感じさせます。

 

 

魔法はマホカンタで跳ね返せる

マホカンタとはドラゴンクエスト内で魔法を跳ね返すことが出来る呪文です。

 

ことわざを使えば説得力が増しますが、それはあくまで幻であるということを覚えておかなければいけません。

 

説得力を増すことわざには高確率で反語があるからです。

 

例えば「好きこそ物の上手なれ」ということわざがあるように、好きなことは面白くて一生懸命やれるので上達の近道です。

という説明があったとします。

しかし、ことわざには「下手の横好き」という下手なのにそのことが好きで熱中しているという意味のものもあります。

 

「弘法筆を選ばず」ということわざがありますが、「良工は先ずその刀を利くす、能書は必ず好筆を用う」という言葉を弘法大師は残しています。

「良工は先ずその刀を利くす、能書は必ず好筆を用う」という言葉を初めて知る方もいると思うので意味を説明しますと、達人は道具の良し悪しがわかるということです。

「弘法筆を選ばず」という言葉は道具のせいにする人を戒めるための言葉なので反対を意味するとは言いにくいのですが、例としては挙げました。

 

さらに、2017年から起きている加計学園の問題の際に、「火のない所に煙は立たぬ」と攻めまれていました。

しかし、「根がなくと花は咲く」という、根拠がないが噂は立つという意味のことわざもあります。

このように、探してみると反語があることわざというのは多く存在しているのです。

 

 

 ことわざの実験

「夢は語らず、とかく動け」と言われるように、夢を叶えたいと思うなら、語ったり無駄なことをする暇を行動するべきだと思うが、それが出来ていない人が多いと感じる。

 

といった文をいきなり見たとき、この「夢は語らず、とかく動け」ということわざがあると信じると人は少なくともいると思っています。

 

『 交渉力養成ドリル―心理戦を制する実戦トレーニング57題』といった本の中のある実験が記載されています。

海外の大学の実験で本物のことわざと偽物のことわざ作って真実を言い当ててるかという実験をすると、偽物のことわざも真実を言い当ててると評価されたという。

 

 ことわざっぽい言葉を作っても、内容が真実味を帯びていればマイナーなことわざなんだと思うだけでしょう。

100人に聞かせたらおそらく数人は知らないことわざだったけど何なんだろうと調べる可能性はありますが、それでもほんの数%の人です。

話をする際に多くの人の興味は本題にあります。

一瞬出てきたことわざにはあまり興味はないのです。

 

架空のことわざでもことわざと同じ力を持てるということです。

 

 

ことわざという魔法

ことわざはそれだけで説得力が増すなどの力を持っています。

しかし、悪用しようと思えば架空のことわざを作り説得力を増すといったことも可能です。

特に自己啓発などのセミナーなどは、自分を成長する機会になりえますが、同時に怪しい人も多くいます。

そういった怪しい人などはことわざや架空のことわざを使い説得力をマシマシにさせようとする人もいるでしょう。

そういった人に騙されないように注意してください。

また話をする立場の人はことわざを上手く使い、話をより良いものにする使い方をしていただきたいです。

(1つの話でことわざの多用は怪しくなるでしょうが)

 

使うにしろ使わないにしろ、ことわざをしるというのは教養にもなりますし、昔からの知恵といったものなので知っていて損はないでしょう。